経済・金融のホットな話題を提供。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

――筆者のマディ・ダイトワルド氏は作家。シンクタンク兼コンサルティング会社「エージ・ウエーブ(Age Wave)」の共同創設者でもある。
***
未来にタイムスリップして、自分の人生が20年後、30年後、40年後にどうなっているかを見ることができるとしたら、どうだろう。いわばバーチャルなタイムトラベルだ。それは退職後に向けてより効率的に貯蓄するための、より早期に貯蓄を始めるきっかけとして最適なツールになり得ることが分かった。
米国民が老後の蓄えに関する危機に直面していることは皆知っている。人々はかつてないほど長生きするようになっているし、米国の貯蓄率は先進国の中でどの国よりも低い。加えて、大半の雇用主は年金制度を確定給付型から確定拠出型に移行している。われわれの大多数は、老後の蓄えの準備において個人的に責任を負っていることが明確になりつつある。
われわれはこうしたことを知っているものの、うまく対応できているとは言えない。多くの専門家は、問題の大半を占める要素が心理的なものである可能性があるとみている。つまり、20代や30代の頃は自分が65歳や95歳になったときの生活を想像さえできない。想像ができないと、対策をとらない公算が大きくなるということだ。
では、とりわけミレニアル世代の人々に退職後向けの貯蓄について考えてもらうには、どうしたらよいのだろう。カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン経営大学院のハル・ハーシュフィールド教授は、人々を将来の自分と接触させることが将来のために貯蓄する意欲に影響を及ぼすかどうかを調べた。研究は、マイクロソフトが設立した研究機関「マイクロソフト・リサーチ」のダニエル・ゴールドスタイン氏、スタンフォード大学バーチャル・ヒューマン・インタラクション・ラボのジェレミー・ベイレンソン所長らと共同で行った。
研究チームは大学生の被験者の写真を撮り、半数をデジタル加工して65歳時点のアバター(分身)を作成。頬を垂れさせ、目の下をたるませ、髪を白髪交じりにする加工を施した。被験者はゴーグルとセンサーを与えられ、バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)の世界にいざなわれた。鏡には現在の自分か将来の自分が映る。実験の一環で、被験者はそれぞれ1000ドル(約10万4000円)を与えられ、それを使うよう指示された。そのお金で、特別な誰かにプレゼントを買ってもいいし、退職後のために投資しても、楽しいイベントを企画してもいい、あるいは当座預金に入金してもいいとされた。
VRの鏡で将来の自分の姿を見た被験者が退職後のために投資した金額は、現在の自分を見た被験者が投資した金額の2倍以上に達した。この結果を検証するため、一部の被験者には、他の被験者の将来の姿を見せ、それが彼らの選択に影響するかを調べたが、選択には影響がなかった。将来に投資する確率が上がったのは、退職年齢の自分の姿を見た被験者だけだった。
ここから学べることは、将来を変えたいのなら、将来の自分の立場になって考える必要があるかもしれないということだ。研究チームのベイレンソン氏は「バーチャルな体験は極めて強烈であり、現実世界の行動を長期にわたり大きく変化させる可能性がある」と述べている。
現在、わが国の老後の蓄え不足に対する試験的な解決法として、仮想現実ツールが開発されつつある。これらのツールで得られるのは数字や予測にとどまらない。直感的な体験を通じて、いくつかの違ったシナリオに浸ることも可能になる。ユーザーは例えば65歳、75歳、80歳になって限られた資金しかないとどうなるかを体験できる。仮想現実は、将来の自分の姿を数分間で強烈に体験させてくれる可能性を秘めている。それは明るい未来を確実にするための対策をいま講じるよう、われわれに促すのだ。
By MADDY DYCHTWALD

J・フロントリテイリングと森ビル、住友商事などが東京・銀座の松坂屋銀座店跡地で進めていた大型再開発複合ビルの名称が「GINZA SIX(ギンザ シックス)=GSIX」と決まり、2017年4月20日に開業することになった。GSIXは銀座6丁目の二つの街区をひとつにまとめた地上13階、地下6階の大規模施設で、高級ブランドの店舗を集積。観光バスの乗降場を設けるなど、訪日外国人観光客の来店も意識した内容で、銀座最大規模の再開発となる。
16年10月26日、森ビルなどが発表した。GSIXは銀座の中央通り、みゆき通り、交詢社通り、三原通りに面し、中央通り側にはディオール、セリーヌ、サンローラン、ヴァレンティノ、フェンディなど高級6ブランドの路面店が並ぶ。
■内外200超のブランド店を集積
GSIXの商業施設は地下2階~地上6階と13階の一部で、7階~13階はオフィスが中心となる。商業施設の売り場面積は4万7000平方メートルで、銀座エリアで最大となる。本家の松坂屋百貨店は出店せず、ファッションを中心に内外の241のブランドが出店。このうち122店舗は旗艦店で、11店舗は日本初出店になるという。GSIXが銀座の新たなランドマークとなるのは間違いない。
松坂屋を運営するJ・フロントの山本良一社長は、会見で「銀座で百貨店はやらない決断をした。銀座に必要なのは新しい商業施設を作ること。百貨店の枠にとらわれず、241店舗を出店し、どこよりも早い情報発信、商品展開をしていきたい」と力を込めた。
東京五輪・パラリンピックに向け、急増する訪日外国人観光客を取り込むため、観光バスの乗降場や駐車場を整備し、集客を図る。銀座では観光バスの乗降場が慢性的に不足していただけに、路上駐車による混雑も解消されそうだ。
また、地下3階には能楽最大流派・観世流の拠点「観世能楽堂」を設け、日本の伝統文化を外国人らに紹介する役割も担っている。
引用:銀座・松坂屋跡地に「GINZA SIX」 脱百貨店にかける意気込み
________________________________________

【モスクワ=田辺裕晶】世耕弘成経済産業相は4日、ロシアのガルシカ極東発展相と会談し、連携して極東開発を前進させることで合意した。プーチン政権はインフラ整備が遅れた極東の開発を重要視しており、満足できる協力案を策定できるかが北方領土交渉打開の鍵を握るとの指摘もある。ただ、ロシア側の期待感は過熱しており、実現可能な範囲でどう折り合いを付けるかが課題だ。
ガルシカ氏は会談の冒頭で「プーチン大統領は、21世紀の国家優先課題として極東の発展を位置づけている」と述べ、極東開発の重要性を強調した。これに対し、世耕氏はウリュカエフ経済発展相と3日設置した作業部会で極東開発を含む経済協力全体を検討すると応じた。
会談では、ガルシカ氏が極東をアジアの輸出基地とする構想やインフラ整備などを説明。ただ、日露で合意した計画はなかった。
ガルシカ氏は今回の経済協力に関し、ロシア側の担当官庁である経済発展省が提案した50項目とは別に、自らも18項目の具体的なプロジェクトを提案した。
シベリア鉄道の北海道延伸やサハリン(樺太)からのガスパイプライン敷設といった大型案件に加え、具体的な検討が進む木材加工工場や温室栽培施設の整備など内容は幅広い。世耕氏の訪露を控えた10月末には事業規模が総額1兆ルーブル(約1・6兆円)超に上ると一方的に発表した。
ロシア極東地域は人口流出が続き、13億人超の人口を抱える中国の経済圏に飲み込まれる危機感がある。日本の投資や技術移転で地域経済を底上げし、国土の均衡発展を図るのがプーチン大統領の狙い。ガルシカ氏も政権のお墨付きを得て強気だ。
一方、日露両政府は3日の会合で、12月のプーチン大統領訪日に向け、約30項目の経済協力案件を優先的に具体化することで合意した。プロジェクトを集約するには、「“大風呂敷”を広げることで事業規模のつり上げを図っている」(貿易筋)とも指摘されるガルシカ氏の攻勢をかわす必要がありそうだ。
回転すしチェーン「無添くら寿司」が牛丼業界に殴り込みだ。2016年11月4日から全国379店舗で販売を開始。一杯370円という専門店チェーンを意識した価格で「牛丼を超えた、『牛丼』」を謳っている。
【写真】店の周りには牛丼発売を知らせる幟が立っていた。
くらコーポレーションは6年間の研究開発を経た大型戦略商品と位置付けていて、「既存の専門店チェーンを食ってやる、そんな意気込みです」と語っているが、吉野家、松屋、すき家といった御三家にどこまで食い込めるのだろうか。
■6年前から研究開発を進めてきた
J-CASTニュースは16年11月4日の午後3時過ぎに東京都武蔵野市にある店舗を訪ねてみた。店を囲むように牛丼の新発売を知らせる多数の幟が立っていて、その本気度がうかがえた。
店に入ると時間帯もあって客はまばらだ。席に案内され牛丼とあさり汁(税抜180円)を注文した。この混み方ならば専門店チェーンなら牛丼はすぐに出て来るが、ここではなかなか来なかった。あさり汁が出てきた2、3分後に目当ての牛丼が登場。他チェーンに比べれば全体的にしっとり感がある分、躍動感に乏しいが、肉には高級感がある。口に入れると肉はホロリと溶けた。他の牛丼チェーンのものよりも、見た目も味も、蕎麦店や、少し高級な定食店で出されるものに似ていた。特筆すべきはあさり汁のうまさで、この値段でこの味とボリュームには恐れ入った。せっかくだから、寿司もつまもうと思ったが、牛丼とあさり汁でお腹が満足してしまったためやめることにした。会計は594円だった。
帰り際に女性店員から、
「牛丼いかがでした?私はまだ食べてないんですよ」
と聞かれたので、
「専門店チェーンと比べて、寿司店ですから、高級感があっていいんではないですかね」
と答えたら「ありがとうございます!!! 」と非常に喜んでいた。
「くら寿司」を展開する「くらコーポレーション」に話を聞いたところ、同社ではラーメン、カレーといったサイドメニューを提供しているが、牛丼を出すのが悲願であり6年前から研究開発を進めてきた。シンプルなメニューだけに味の調節が難しく試行錯誤し、満を持して自信作が完成、提供にこぎ着けたと同社広報は説明した。
引用:「くら寿司」、悲願の牛丼業界殴り込み 既存3大チェーンを食えるか
________________________________________
人の腸内環境を良好に保つ細菌の代表的な存在である「乳酸菌」。健康やヘルシーな食生活が重視される中で、便秘の予防や改善によく、免疫力の強化やひいては体全体の不調を改善できるともいわれている。
乳酸菌を含むこれまでの定番食品としては、ヨーグルトやチーズといった乳製品のほか、みそや漬物などの発酵食品があげられる。しかし乳酸菌とは、細菌の総称であり、種類は何百種類にも及ぶ。そのため近ごろは、総称と個々の名称のどちらも前面に出して、商品の独自性をアピールする展開が増えている。
「シールド乳酸菌」入りドレッシングで脚光を浴びているのが、デニーズ(運営はセブン&アイ・フードシステムズ/本社:東京都千代田区)。今秋から、外食レストランでは初の試みとして始まったのが、素材は全て国産野菜のサラダに免疫力アップが期待できるシールド乳酸菌を配合した4種のドレッシングの組み合わせ。安心・安全の野菜と、15ccあたり約100億個のシールド乳酸菌を配合したオリジナル健康ドレッシングという2つの特徴で、同業他社との差別化を図っている。特に女性にとっては見逃せないメニューとなりそうなこちら、価格は4種ともサラダ単品が430円、セットで324円(どちらも税込)。
「フェカリス菌」をミックスしたうどんもある。「乳酸菌入りうどん(398円・税別参考価格、300グラム・2人前)」は整腸作用に免疫力向上、また花粉症といった体質改善に効果が期待されるフェカリス菌が生地に練り込まれた商品だ。その個数は、1食で400億個が含まれているという。もちろん、ツルツルやモチモチといった表現で代表されるうどん特有のおいしさも堪能できる。同商品を考案したのは創業明治18年、麺づくりの老舗企業である叶屋食品(群馬県渋川市)。
「SN26」とは、特産の漬物に含まれる乳酸菌だ。「乳酸菌発酵豆乳 SN26(2,160円、100グラム×6個1セット)」は、商品の生みの親であるおんたけ有機(長野県木曽郡)が、木曽地方に古くから伝わる赤カブの茎と葉を、塩を使わずに乳酸発酵させた一品「すんき」含有の乳酸菌を使い、豆乳を発酵させたもの。特徴は乳酸菌が豆乳に含まれ、美容やがん予防などに効果があるとされるイソフラボンの働きにプラス作用をもたらす点だ。ちなみに豆乳のもととなる大豆も長野県産で、遺伝子の組み換えもない。
今秋は、新たな乳酸菌を含む食品を堪能して、ヘルシーな食生活を送ってみるのもよさそうだ。
引用:新たな乳酸菌入り食品が続々 ドレッシングやうどん、豆乳など多種多彩
________________________________________
1980年代にブームとなったものの、バブル崩壊とともに姿を消していたサテライトオフィスに、再び注目が集まっている。かつては都心の不動産価格の高騰が背景にあったが、今は通勤や移動時間を短縮し生産性を上げるという「働き方改革」で話題だ。都心のサラリーマンといえば殺人的な通勤ラッシュがお約束だが、時間と場所にとらわれない働き方が、ようやく訪れるかもしれない。
■日立系が参入
日立ソリューションズ(東京都品川区)は今月、本社に出社しなくても、自宅近辺や出先の事業所で仕事ができるサテライトオフィスを東京近郊に20カ所開設し、実証実験を始めた。政府が働き方改革を掲げる中、勤務形態の多様化に取り組む企業も増えている。同社は導入成果を検証したうえで、来年度を目標にサテライトオフィス支援事業に参入したい考えだ。
同社は、運営事業者のサービスや自社の事業所を利用し、上野や渋谷といった都内に加え、神奈川県横浜市、川崎市、埼玉県さいたま市など首都圏にサテライトオフィス20カ所を設置した。利用希望者を募ったところ、営業担当者やエンジニア、育児や介護を抱える社員ら約350人が応募。順次利用を始めているという。2カ月かけて実証実験を行い、課題や成果を検証する。
運営事業者と連携し、高速通信など環境整備をしたサテライトオフィスを提案することや、インターネット上のサーバーやデータベースを利用できるクラウドやセキュリティーの対策を想定。サテライトオフィスを利用したい企業に対し、自社のノウハウを生かしたコンサルティングサービスの提供を検討している。
■地価高騰で広がる
サテライトオフィスは本社の周辺に衛星(サテライト)のように配置した小規模事業所。通信環境を整備すれば会社と同様に仕事ができるため、移動時間短縮による生産性向上や、多様な人材活用といった効果が期待されている。
実はサテライトオフィスの歴史は古い。1980年代には好景気で都心の不動産価格が高騰し、オフィス賃料が企業の負担になった。このため神奈川県鎌倉市、埼玉県志木市や千葉県船橋市など郊外へのオフィス移転を実践する企業が増えたのだ。
総務省の「テレワークの動向と生産性に関する調査報告書」(平成22年)によると東京都心で「社員1人あたりのオフィス維持コストが年間300万円に達した」との試算もある。
都心の土地価格の高騰は社員にも影響が及んだ。マイホームの購入はより郊外へ郊外へと広がり、通勤時間が2時間以上という人は珍しくもなくなった。好景気で売り手市場となった労働市場では、社員の待遇を良くする意味でもサテライトオフィスが活用された面があると、報告書は指摘する。
しかし、こうした動きは、バブル崩壊とともに鳴りを潜めてしまう。土地価格は暴落し、不景気で余剰オフィスを構える余裕が、企業になくなってしまったのだ。長引く景気低迷で「社員の働きやすさ」は二の次になった感がある。
■人材争奪戦
近年、サテライトオフィスが再び注目されるのには、クラウドの普及をはじめIT環境の整備も追い風になっている。政府の旗振りもあって多様な働き方を実現しようと、企業は取り組みを急いでいる。
なかでもサテライトオフィスは会議スペースやオフィス仕様の複合機を設営するなど、在宅勤務よりもチーム作業に向いている。カフェなど出先で作業するより、セキュリティー環境も安心で営業部隊などにも導入しやすい。
東急電鉄は5月に複数企業の社員が共用する「サテライトシェアオフィス事業」を開始。横浜や二子玉川、吉祥寺など直営5店舗のほか、高田馬場、新橋、大宮、柏(千葉県柏市)などの駅が最寄りの提携25店舗をワークライフバランスを目的に社員にも開放した。
富士ゼロックスも営業担当向けに、東京都中野区、港区、府中市、千葉市、厚木市など首都圏に10カ所のサテライトオフィスを設置している。「顧客訪問件数が対前年比で65%増えたチームもある。1カ月あたりの残業時間も10~20%減少した」と話している。
通勤時間や出先からの戻り時間が短縮されれば、サテライトオフィスによる生産性の向上は十分に期待できそうだ。しかし、話は単に業務効率化にとどまらない。働く環境整備による、「優秀な人材の確保」という意味合いも大きい。
国立社会保障・人口問題研究所によると、2060年までに15~64歳の生産年齢人口が、現在よりも4割以上減少する見込みだ。企業にとって若手人材確保は死活問題となっていく。
殺人的な通勤ラッシュを避けたり、いちいち会社に戻らなくても出先から直帰できたり、自宅近くで仕事ができたり-。より魅力的な働く環境を用意できた企業が、この人材争奪戦で勝ち残ることができる。サテライトオフィスの再注目は、単なるワークライフバランスにとどまらない。人口減少社会を生き抜く、企業の経営戦略でもある。(滝川麻衣子)
引用:バブル崩壊で消えたサテライトオフィス 「働き方改革」の風に乗って帰ってきた!
________________________________________
明治以来、長く日本のものづくりを支えてきた三菱重工業が苦境に陥っている。と言っても、「年間の経常損益が赤字に転落」というほど経営が悪化しているわけではないが、造船や航空機といった有力事業に暗雲が垂れ込めており、「四重苦」「六重苦」などの指摘も聞かれる。常に国家と寄り添い、「役人以上に役人的」とも言われる老舗企業で何が起きているのか。
「大型客船をつくることはコスト的に全く成り立たない。当分無理だと思う」。2016年10月18日、東京都内で記者会見した三菱重工の宮永俊一社長はこう述べ、10万トン超の大型客船事業からの事実上の撤退を発表した。造船事業は三菱重工にとって、「創業者」の岩崎弥太郎が長崎で明治時代から携わった「祖業」と言える分野だけに、社長の表情にも苦渋の色がにじんだ。
■評価委「本社のリスク管理の不十分さ」など指摘
問題の大型客船は2011年にドイツのアイーダ・クルーズ社から受注したもので、12万トン級2隻。しかし、設計や建造に手間取り、納入が遅れるなどした結果、16年3月期までに約2400億円の損失を計上した。記者会見の主な発表内容は、巨額損失を出した原因を検証した社内評価委員会の結果の公表。評価委は、「プロジェクト運営の能力不足」や「本社のリスク管理の不十分さ」などを厳しく指摘した。
評価委の指摘通り、大型客船事業の失敗については、本社のリスク管理の甘さがあったようだ。三菱重工は戦後の財閥解体によって地域別に3分割され、1964年に再合併した歴史がある。「地域独立」色の濃い分割時代の社風は今も残り、実質的に強い権限を持っていることが多い。特に大型客船を建造した「長崎造船所」は三菱財閥の始祖・岩崎弥太郎が1884年に政府から借り受けたのが始まりで、かつては所長が社長より格上とまで言われたほどだ。当然、その裏返しとして本社の目が行き届かず、本社主導によるリスク管理もままならないというわけだ。
大損失を出した大型客船については、社内にさほど経験が蓄積された事業でないにもかかわらず、現場の楽観的な判断で受注した模様だ。その結果、西洋風の内装工事などのノウハウ不足で発注者の要求に細かく対応できず、部材の調達先変更などの「やり直し」が続出し、損失が膨らんでしまった。
引用:三菱重工の「四重苦」「六重苦」 「大型客船」以外にも垂れ込める暗雲
________________________________________
■「料理を制するものがウェブ制す」?
ニューヨーク・タイムズといえば、米国で最も権威のある新聞だ。しかし、その事業の中で、いま最も成功しているといわれているのが2014年に立ち上げた料理レシピ集「NYT Cooking」だ。読者のニーズにきめ細かく応える「NYTベータ」と呼ばれる部門が進めている新規事業だが、料理のプロによる1万を超えるレシピ集が評判を呼び、関係者によると「ニューヨーク・タイムズのサイトの中で、最もよく読まれているコーナー」だ。
新興ウェブメディアの旗手ともいえる「バズフィード」にとっても、15年に開始した料理動画サイトの「Tasty(テイスティ)」は、事業の重要な柱である。今年8月には日本でもサービスをスタートさせているが、早回しで面白い料理レシピを紹介する動画は、女性の間で早くも評判になっている。
25日に東京都内で記者会見した創業者のジョナ・ペレッティ最高経営責任者(CEO)も、テイスティの成功を強調していた。
日本でも料理動画のベンチャー企業が勃興している。昨年9月の創業から日が浅いにもかかわらず、爆発的な成長を続けている料理動画メディアが「デリッシュ・キッチン」。かつてソーシャルゲーム大手のグリーで取締役を務め、「釣り☆スタ」や「探検ドリランド」の立ち上げを成功させた吉田大成氏が創業した「エブリー」が手掛けている。今年6月には、グロービス・キャピタル・パートナーズ、DBJ キャピタル、グローバル・ブレインなどを引受先として、総額6.6億円の資金調達を実施した。ネットの世界では、驚くほど料理まわりが「熱い」のだ。
その理由はいくつかある。まず食べ物は驚くほど多くの人々をひきつける。つまり、たくさんの読者を獲得できる。東洋経済オンラインでも、焼き肉やラーメンなどの写真を前面に出した記事はたくさん読まれる。お昼の12時前後は、特に読まれる。何を食べようか、どれだけ心を悩ませている(踊らされている)かがよく分かる。食べ物そのものが強烈なコンテンツなのである。しかも、フェイスブックの「いいね!」がたくさんつき、シェアもされる。記事が拡散していくのだ。
また、容易にマネタイズ(収益事業化)につなげることができる。広告にはうってつけだ。レシピの中に「味の素」を使えば、味の素から広告費をもらえる。フライパン、包丁など魅力的なキッチン用品を作っているメーカーにスポンサーになってもらうことも可能だ。
物販にもつながる。ニューヨーク・タイムズはレシピの中で紹介している食材をワンクリックで自宅に配達するサービスを今年5月から始めている。
そして何よりも、投資がほとんど不要だ。台所が一つあれば、次々に動画を製作できるし、特徴のあるレシピ作りは専門家に頼んでしまえばいい。
そう考えると、料理番組などで過去からの蓄積がある日本のテレビ局にとっては、大きなビジネスチャンスが広がっているのではないか。新聞社や出版社にとっても、大きなビジネスチャンスだろう。
世界的な和食ブームという追い風もあり、グローバル展開への道も開けてきそうだ。「料理を制するものが、ウェブメディアを制す」という時代がやって来たのかもしれない。
【プロフィル】山田俊浩
やまだ・としひろ 早大政経卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。「週刊東洋経済」の編集者、IT・ネット関連の記者を経て2013年10月からニュース編集長。14年7月から東洋経済オンライン編集長。著書に『孫正義の将来』(東洋経済新報社)。
引用:NYタイムズの新規事業も大成功 いまネットメディアで“料理”が熱いワケ
________________________________________
国内二輪車メーカーが事業再編を加速している。ホンダなど大手4社は世界でも存在感が大きいが、おひざ元の国内市場が大幅に縮小。その結果、ホンダと、ライバルのヤマハ発動機は、排気量50cc以下の「原付一種」で業務提携を検討する。二輪車事業の赤字が続くスズキの動向が次の焦点になっている。
■最高峰レースを席巻
10月16日、栃木県茂木町のサーキット「ツインリンクもてぎ」。爽やかな秋晴れが広がり、最高気温が25度と季節外れの「夏日」を記録する中、世界最高峰の二輪車レース「MotoGP」第15戦の決勝が開かれた。
詰めかけた5万2216人のファンが見つめる中、4周目にトップに立ったホンダのマルク・マルケス選手が独走。ライバルのヤマハ発を駆るバレンティーノ・ロッシ選手が7周目に転倒し、24周のレースを制したマルケス選手が残り3戦を残して年間王者を決めた。マルケス選手は、「ホンダは一生懸命がんばってくれた。最高の年になった」と感謝の気持ちをコメントした。
ヤマハ発のロッシ選手らの脱落で2位に伊ドゥカティの選手がつけたが、3位にはスズキのマーベリック・ビニャーレス選手が入り、日本メーカーの底力を見せつけている。
■世界生産の44%
最高峰レースでの活躍が示すように、二輪車市場で日本勢の存在感は大きい。日本自動車工業会(自工会)によると、2015年の世界の二輪車生産5598万台のうち、日本メーカーのシェアは44%を占める。近年は印ヒーローグループなど新興国メーカーが台数を伸ばしているが、日本は依然としてほぼ半分を維持する二輪車大国だ。
だが、国内市場の状況は厳しい。15(平成27)年の国内販売は約37万台となり、ピークの1982(昭和57)年に記録した約328万台から9割近く減少した。その結果、各社は主要拠点を置く国内事業の再編を迫られている。
代表例は、ホンダとヤマハ発が10月5日に電撃発表した業務提携だ。両社は国内独自規格の原付一種の維持を目指し、共同開発などで投資を抑制。海外で人気の高い排気量125ccクラスなどに経営資源を振り向け、収益性の改善につなげる方針だ。
■HY戦争
これに対し、業界関係者は「あの2社が組むとは」と驚きを隠さない。両社は80(昭和55年)年前後の数年間にわたり、泥沼の争いを演じた。主要製品のスクーターを中心に定価の半額など値下げ競争が起き、両社の関係は悪化した。マスコミは両社の頭文字から「HY戦争」と書き立て、犬猿の仲とされた。
業務提携の記者会見で、ホンダの青山真二取締役は「熾烈(しれつ)な販売競争があったのは過去の事実だが、しこりはない」と話した。ヤマハ発の渡部克明取締役は「入社がHY戦争に敗れた年で、すぐに減俸になった」と振り返ったが、「原付一種を何とか残したいと思い、提携を選んだ」。市場縮小への危機感が、かつての敵同士の手を結ばせた格好だ。
より深刻なのは国内3位のスズキだ。二輪車事業は販売不振が続き、2016(平成28)年3月期は営業損失が約102億円と2期連続で赤字を記録した。
国内4位のカワサキが原付一種を扱わず、得意の大型車を中心とした専門店の拡大に乗り出す一方、スズキはホンダなどと並び原付一種から1000cc級の大型までそろえるフルラインアップメーカー。かつて「カタナ」などの名車を生んだが、15年度の世界販売台数はホンダの1705万台に対し、スズキは149万6000台と10分の1以下にとどまり、開発投資などの負担が相対的に重い。
スズキも手をこまねいているわけではない。二輪車事業を「経営課題の一丁目一番地」(幹部)と位置付け、今年5月にマレーシアの生産工場を閉鎖した。国内でも分散する生産機能の浜松工場への集約を決定し、「車種も絞り込んでいく」(同)とする。
スズキが昨年6月に発表した20(平成32)年までの中期経営計画は、二輪車事業の「選択と集中による赤字体質の脱却」を掲げた。今後は「スポーツ」「150cc以上」という特徴を明確にした製品開発をするとしており、原付一種などの扱いに注目が集まる。生き残りに向けて提携先を探すのか、または一部車種の撤退も視野に入れるのか。スズキの次の一手が二輪車業界の未来を占う。(会田聡)
引用:「二輪車大国」日本のピンチで、呉越同舟…ホンダ、ヤマハがまさかの提携、スズキはどう出る?
一昔前に比べて、スーパーマーケットなどの店頭に並ぶ即席カレー(カレールー)の商品数が格段に増えているのを実感している人は多いはずだ。
【カレールーの生産量推移。大きく減少しているのが分かる】
全日本カレー工業協同組合によると、レトルトカレーの台頭や少子化などによって、カレールーの生産量そのものは減少傾向にあるものの、最近では、例えば植物油を使用した健康志向の商品開発にメーカー各社が力を入れるなど、消費者ニーズの多様性に合せるべくさまざまな新商品が登場し続けているのである。
このように生存競争の激しい同領域において、あるロングセラーブランドが改革に取り組んでいる。発売からちょうど50周年を迎えたエスビー食品の「ゴールデンカレー」だ。
現在、国内の家庭用即席カレー市場規模は約460億円で、ハウス食品が約60%のシェアを持つ。続くエスビー食品が約24%と、両社には倍以上の開きがある。その差を少しでも詰めようと、エスビー食品は数年前からゴールデンカレーの販売強化に乗り出している。新商品開発や顧客ターゲット層拡大といった取り組みが功を奏し、2012年度に比べて2015年度の出荷実績は1.5倍以上になった。
●30~40代にも訴求
エスビー食品は1923年に創業。日本で初めて国産カレー粉を製造した会社だ。当時からカレーは大衆に人気の食事だったが、戦後、人々の暮らしが豊かになるにつれてカレーの消費量も増大。そうした中、より手軽に食べたいというニーズから、各社が即席カレーの開発に取り組んだ。ゴールデンカレーは1966年に発売。同社の強みであるスパイスやハーブの本格的な味わいを出すために、ハウス食品の「バーモントカレー」などよりも数年遅れての販売開始となった。
日本の経済成長とともに即席カレー市場も拡大を続けたが、バブル崩壊以降の長引く景気低迷や、上述したような理由などから市場は伸び悩んでいる。そこでエスビー食品でも約5年前から戦略の転換を図るようになった。
これまでゴールデンカレーの購入者は高品質志向の50代が中心だったが、30~40代に裾野を広げるために、ターゲット層に支持の高い女優の吉田羊さんをイメージキャラクターとして起用するなど、ブランディングの見直しを図った。
商品にもバラエティを持たせた。ゴールデンカレーは発売以来、パーケージや味のリニューアルは何度か行ったものの、新しいシリーズ商品は作ってこなかった。そこで2011年に季節限定の「ゴールデンカレー バリ辛」を発売。同商品は激辛唐辛子「ブート・ジョロキア」を使用した刺激的な辛さが特徴で、例えば辛いもの好きなど、従来のゴールデンカレーとは違う新たなファン獲得を目指した。
バリ辛はこれまではだいたい5月~8月に販売していたが、年々売れ行きが好調になったため、今年は期間を延長して2月からの販売に踏み切った。
そのほか、2015年2月にはさらに上質を求める消費者に向けた「プレミアムゴールデンカレー」を定番商品としてラインアップに加え、2016年5月には新たな夏季限定商品「ゴールデンカレー クランチスパイス」を発売した。
味のアピールにも力を入れた。「実際にゴールデンカレーを食べたことがない人も多いのではないか」という問題意識から、2016年7月には商品の無料提供や、リアル店舗「カレーショップゴールデン」を期間限定で東京・赤坂にオープンするなど、消費者の商品体験の場を作っていった。
こうした取り組みの結果、2005年からの10年間で40代の購入率(世帯全体、主婦年代別)が25.1%から27.3%と、全世代の中で最も伸びた。
ゴールデンカレーは今後も30~40代を中心にした顧客の拡大、深堀りに取り組む考えだ。消費者を飽きさせないためのロングセラー商品の次の一手はいかに。
(伏見学)
引用:出荷数が1.5倍以上に! 「ゴールデンカレー」は何を改革したのか?