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コカ・コーラの製造・販売を行っているコカ・コーラウエストとコカ・コーライーストジャパンの東西の2大コカ・コーラボトラーが2017年4月1日に経営統合し、新会社「コカ・コーラボトラーズジャパン」が発足することになった。
新会社の売上高は1兆円超となり、国内清涼飲料市場でサントリー食品インターナショナルを抜いてトップに躍り出る。
■「統合後3年間で200億円のシナジー創出」見込む
ウエストとイーストが16年9月末に発表した。ウエストが持ち株会社となって経営統合し、コカ・コーラボトラーズジャパンとなる。社長にはウエストの吉松民雄社長が就く。統合の最大の狙いはコスト削減で、両社は「統合後3年間で200億円のシナジー創出を見込んでいる」(吉松社長)といい、販促費を一本化したり、生産・流通を合理化したりすることなどで一層の経営効率化を進める考えだ。
ウエストは、人口約4500万人の近畿・中国・四国・九州地域の2府20県で、イーストも人口約6600万人の南東北・関東・東海地域の1都15県でそれぞれ事業を展開している。新会社はコカ・コーラの原液を購入して製造、販売するボトラーとして世界3位の規模となり、国内のコカ・コーラ製品の販売数量の86%を占めることになる。
この巨大ボトラー誕生の背景には、デフレによって進んだ価格競争の激化や、健康志向が高まりで1990年代以降にお茶市場が急成長し、炭酸飲料の消費量が減少した影響などがある。
こうした事情から日本のコカ・コーラボトラーの経営環境は厳しさを増すばかりで、1990年代後半からボトラーは再編を繰り返してきた。その歴史はこうだ。1999年まで全国に17社あったボトラーは2001年に14社、2006年には12社、2013年には8社、そして2015年には6社まで再編された。来春には東西コカ統合による新会社誕生で、北海道、北陸、みちのく、沖縄を含む5社に集約されることになり、「国内ボトラーの再編はとりあえず幕を降ろす」(関係者)ことになった。
ただ、短期間で再編を繰り返してきたため、工場の統廃合などが進んでいないとされ、業界では「統合効果は当初の狙い通りには進んでいない」(同)との見方が大勢を占めている。こうした状況を新会社のトップとなる吉松社長がどう打開していくか。そして、課題でもある非炭酸市場でのシェアをどう伸ばしていくか。業界からも吉松社長の手腕に熱い視線が注がれている。
引用:コカ・コーラ「東・西」が統合 巨大ボトラー誕生でこれから起きること
東京外国為替市場は2016年10月7日朝、英ポンドが「大荒れ」だった。
マーケットでは俗に「殺人通貨」の異名をとる「ポンド」。その値動きの荒さが外国為替証拠金(FX)取引をするデイトレーダーらには人気だが、いわゆるサラリーマン投資家にはまさに「瞬殺」だったようだ。
■わずか1分間に6%暴落も、7分後3.5%戻す大混乱
英ポンドは凄まじい勢いで売り浴びせられ、2016年10月7日8時7分にポンド・米ドルは1.26ドルを割り込み、その1分後には1.19ドルまで暴落。「わずか1分間に、6%も下げたことになります」と、外為どっとコム総合研究所調査部長・上席研究員の神田卓也氏は驚く。
それだけではなかった。「(暴落後)7、8分かけて3.5%も値を戻しました」。わずか10分足らずのうちに暴落して急騰したのだから、FXに投資する個人投資家が太刀打ちできるはずがない。8時20分ごろには、1.24ドル台の水準まで値を戻した。
ポンド・円も1ポンド131円を割ると、123円台前半まで暴落。4年ぶりの安値をつけた。しかし、すぐに切り返して、1ポンド129円台まで回復した。英国が国民投票で欧州連合(EU)の離脱を決めた16年6月以来の大幅な下げで、市場はまさに大混乱状態になった。
一般に、ポンド取引は値幅が大きい(値動きが荒い)ことが人気で、デイトレーダーらが好む半面、FX取引の経験の浅い個人投資家には不向きとされている。ドル取引に比べると全体的な取引量も少ない。
とはいえ、「ちょうど取引が薄い時間帯で起こったので、個人投資家が対応できるような状態ではなかったと思います。そのため、多くのロスカット(損切り)が起りました」と、神田氏はみている。
インターネットには、
「なんじゃこりゃあああ。気づいたら、終わっとるやんけ」
「ポンド円で一喜一憂。地獄に落ちた方々... 残念でしたね。でもいい思いしてきたんだから、しゃーないねwww」
「うわあああ~~~~ たのむ止まれ」
「『殺人通貨』ってこーゆーことなんか......」
と、泣いている個人投資家は少なくないもようだ。
しかし、なかには
「さっきのポンド下落、少しハイエナして利食いw」
「これ、利益出てるからつぶやけるけど、逆にポンド円ロングで持ってたら真っ青でつぶやいてる場合じゃないよな... たぶん会社行けてないわ」
と、ちょっとでも儲けた個人投資家がいないわけではないようだ。
引用:英ポンド大荒れ、FX投資家「なんじゃこりゃあああ」 原因めぐり飛び交う憶測
ブランドコンサルティング会社の米インターブランドは5日、2016年のグローバル企業のブランド価値評価ランキングを発表した。トヨタ自動車が前年から順位を1つ上げて過去最高の5位に入り、日本勢首位の座を保った。100位以内の日本企業は前年と同じ6社で、顔ぶれも変わらなかった。全体の首位は米アップル、2位は米グーグルで、ともに4年連続。
ランキングは2000年に始まり、今回で17回目。ブランド価値を金額に換算して比較しており、首位のアップルは約1781億ドル(約18兆3000億円)で、トヨタの約535億ドルの約3.3倍となった。
自動車メーカーは全部で15社が入り、その中で5位のトヨタがトップ。アジア企業が全体のトップ5に入るのは初めて。他の日本の自動車メーカーではホンダが21位(前年は19位)、日産自動車が43位(同49位)だった。自動車以外では、キヤノンが42位(同40位)、ソニーが前年と同じ58位、パナソニックが68位(同65位)となった。
前年、100位圏外となった任天堂は今回も100位以内に入らなかった。
前年に初めてトップ10入りを果たした米アマゾン・ドット・コムは8位に順位を上げた。また、15位の米フェイスブックも23位から8つ上げた。
100位以内のうちアジア企業は11社。日本の6社のほか韓国の3社、中国の2社がランクインした。
引用:トヨタ過去最高の5位 世界的企業のブランド価値、首位はアップル
富士通がパソコン事業を世界最大手の中国、レノボ・グループと統合する方向で調整していることが5日、分かった。分社化したパソコン事業にレノボが過半を出資する方向で調整している。早ければ月内の合意を目指す考えで、富士通はレノボとの事業統合により競争力強化を目指す。
富士通が福島県伊達市と島根県出雲市に持つパソコンの生産拠点は、統合後も維持する方針。富士通は「FMV」のブランドで、主に国内向けのパソコン事業を手掛けていた。
ただ、近年はスマートフォンやタブレット端末などの普及により、パソコンの市場は縮小している。このため、富士通は一時、東芝やVAIO(長野県安曇野市)とのパソコン事業統合を検討していたが、合意に至らなかった経緯がある。
レノボは2005年に米IBMのパソコン事業を買収。11年にはNECとパソコンの合弁会社を設立し、同社のパソコン事業を統合した。NECの「ラヴィ」やレノボ「シンクパッド」などのブランドで、日本国内でも3割程度のシェアを持つ。レノボは富士通とパソコン事業を統合することで、さらに日本での足場を固める狙いとみられる。
引用:富士通、レノボとパソコン事業統合へ ブランドや工場は存続
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スマートフォン特化のネット証券会社One Tap BUY(ワンタップバイ、東京都港区)は4日、みずほ銀行と連携し、銀行預金で素早く株式を購入できるサービス「銀行においたまま買付」を始めた。
証券口座に資金を移す手間をなくし、スマホで株式を購入すると、みずほ銀の預金口座から1~2秒で代金が引き落とされる。銀行の営業時間外でも売買でき、利用料金は1回108円。来年3月まで無料提供する。
今やスマートフォンでの衣料品購買が広く浸透する中、スーツ専門店大手のコナカが新たな取り組みを始めた。スマホアプリを使ってカスタムメイドできるオーダースーツの新ブランド「DIFFERENCE(ディファレンス)」を立ち上げ、10月1日に1号店を青山(東京都港区)にオープンした。2~3年間で同ブランドのショップを50店舗に増やす予定だ。
【その他の画像】
トータルプロデューサーにクリエイティブディレクターの佐藤可士和さん、女性向けサービスのディレクターにはスタイリストの徳原文子さんを、スマホアプリやブランドWEBの設計などにはインタフェースデザイナーの中村勇吾さんを起用した。
ディファレンスが提供するサービスの流れはこうだ。最初に顧客は実店舗に訪れ、袖丈やウエスト、肩幅などを採寸。それらのデータをスマホアプリにユーザー登録することで、次からはたとえ来店しなくてもスーツの細かなカスタマイズや注文までがアプリ上で可能になる。また、使いたい生地やボタンなどを事前にアプリで指定すれば、来店してすぐに実物を手に取ることができるよう店舗スタッフが用意しておくことができるため、接客の効率化などにつながる。注文から納品までの時間も短縮。一般的なオーダースーツの場合、1カ月ほどかかるところ、ディファレンスは最短2週間で顧客に届けることができるという。
国内スーツ市場について、既製品の販売は縮小傾向にあるが、オーダー製品は近年増加を続けているという。コナカのオーダースーツ事業に関しても直近5年で売り上げが2倍に増加、前年比で20%の伸びとなっている。そうした追い風の下、ディファレンスは早期に100店舗、売上高150億円、営業利益15億円の達成を目指す。
スーツ価格は男性用、女性用ともに3万5000円から。
数百円から数千円程度で気軽に購入できるカシオ計算機の腕時計「チープカシオ」が近ごろ注目されている。ツイッター、インスタグラムなどインターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にも取り上げられ、人気だ。ライバルのシチズンが同価格帯で展開するブランドにも影響が及び、「チープシチズン」の呼称も定着。両社とも「宣伝も広告もまったく出していないのに」と驚きを隠さないが、腕時計の主戦場といえば数十万円以上の高級時計で、やはり“チープ”では業績アップにはつながりにくいようだ。(藤谷茂樹)
昨年秋、大阪市中央区の家電量販店、ビックカメラなんば店の売り場に「チープカシオ」コーナーが登場した。十数種の腕時計がずらり並ぶが、モノによっては棚に空きも目立つようになってきた。担当の村上真悠さんは「入荷して1~2週間もすれば、品切れが出てしまう」と話す。チープカシオを購入するのは、主に10代~30代の若い世代で、カシオという日本メーカーの信頼性もあって、台湾や東南アジアから訪れる観光客もよく買っていくという。
こうした人気に、カシオの広報担当者も「何の広告も宣伝もしていないのに」と驚く。だが、チープカシオという名称も自然発生的に生まれたため厳密な定義がなく、「どこまでがチープカシオなのか把握しきれていない」状態なのだという。陳列ケースに飾られる高級時計とは異なり、チープカシオは家電量販店やホームセンターでケースごとフックにかけられて売っているイメージだ。販売価格も最安で千円を下回り、高くても4千円ほどに収まる。
20~30年ほど前から商品展開されているたモデルも多く、時計としてベーシックでシンプルなデザインが特徴。種類も豊富で、デジタル表示、アナログ表示だけでなく、細かな部分や色の違いもあって幅広い。海外モデルが逆輸入され、国内で販売される場合もあるようだ。
人気はフェイスブック上で広まった逸話がきっかけとも言われる。昨年、英国人男性が約20年前に紛失したデジタル表示の“チープカシオ”を自宅の庭で偶然見つけた。故障していなかった。泥だらけになっても動いていたという記事を投稿すると、それが世界中に拡散され、チープカシオのタフさが再評価されたというものだ。ここから、若い世代がチープカシオに関心を示すことになり、魅力を感じた人たちがツイッターやインスタグラムで次々と紹介し、輪をかけるように広まったようだ。
カシオ腕時計の魅力を紹介するサイト「カシオ腕時計マニアックス」を運営するShowさんは、「チープカシオは、時計として精度は高い半面、安い。そのアンバランスさがうけている」と人気の秘密を分析している。そのうえ「素材をうまく使ってデザインされ、値段以上のアクセサリー性がある」とShowさん。造りこそ薄くできているが、「そのペラペラな感じがかわいらしさ、憎めなさになっている」と評した。
今年に入り、価格の安い腕時計への再評価はカシオ以外のメーカーにも波及。シチズンがチープカシオと同価格帯で売り出している「Q&Q」ブランドに目が向けられ、「チープシチズン」として親しまれるようになった。これも、安いのに質が良いと口コミがSNSを中心に広がっていき、人気モデルはインターネット通販向けで昨年と比べ5倍近く出荷量が増えたという。シチズン広報担当者は「何もしていないのに注目される驚きもあるが、うれしい」と話す。
チープカシオにチープシチズンが続き、ちょっとしたムーブメントになりつつある安価な腕時計だが、両社とも「業績にはほとんど影響しない」とみている。腕時計の国内市場は昨年、売上金額ベースで約9002億円と推定されるが、スイス製の機械式腕時計が約7割を占める。理由は、スイス製の商品単価が高価なためで、初心者向けのエントリーモデルでも軽く20万円台。数十万、100万、200万円台がざらにあり、複雑で特殊な機構になれば数千万円も当たり前の世界だ。
スイス製1本で、チープカシオやチープシチズンが何千本、何万本も購入できる計算になるため、いくら人気と言っても太刀打ちできないわけである。そのなかで、セイコーウオッチを含め国内メーカーは、GPS(衛星利用測位システム)からの電波を受信して時刻精度を向上させるなどして高機能にすることで、価格を20万円台まで引き上げ、市場での存在感を高めてきたのだ。
それでも「ブランド力」という意味で、メーカーにとっては安い腕時計も重要な商品のようだ。「(チープカシオが)カシオというブランドを世界に発信し、腕時計という商品をなじみ深いものにしている」(カシオ広報)。「ベルト交換など、自分なりのカスタマイズをして楽しんでもらっているようだ。(チープシチズンを)時計という楽しみを知るきっかけにしてほしい」(シチズン広報)。「腕時計」というジャンルの世界に興味を持ち、メーカーのファンとなってもらえれば、“もうけもん”なのかもしれない。
この記事は、ブログ「akiyan.com」に9月30日に掲載された内容を一部編集して転載したものです。
【スマホホルダー・バッテリーも貸し出される】
「UberEATS」という、都内のレストランメニューを宅配するサービスが9月29日から開始しました。特徴は、配達するのは従業員ではなく、シェアリングエコノミー的に、登録した配達員が空き時間に配達することと、今まで宅配をしてこなかったレストランの登録が多いということです。配達に使用できる車両は125cc以下の原付と、自転車だけです。対応エリアは29日時点で渋谷区と港区の一部のみです。
僕はこのUberEATSに配達員として登録しまして、ローンチ日に数件配達したので、いろいろ考えを巡らせたことを書き残しておきます。長文です。
●配達員への支払い構造は歩合制
配達員への支払いは基本的に歩合制です。
・配達1件ごとに報酬が発生する
・注文額と報酬は比例する
・最低保証時給が発生する場合があり、注文が無くても時給がつくことがある
・業務委託関係であり、雇用ではない
振込は週単位で行われます。
●待ってる間は暇だけど暇じゃない
配達を待つには、「Uber Partner」という配達員用アプリでオンラインにしておくだけです。アプリから呼び出されたら数分以内に応答して、配達元のお店に向かうことになります。このアプリはUberタクシーの運転手も共通っぽいですね。
実際に待ち受けてみると、待っている間は暇といえば暇なのですが、呼び出されたらすぐに出発しなくてはならないので、多少の集中を求められるような暇つぶしはする気になれませんでした。小難しい本を読むのも微妙な感じで、ポケストップが集まる所に移動してポケモンGOをやってひたすら時間を潰しました。客待ちしているタクシーの運転手さんもこんな感じなのかなあ、と思いました。
●バッグがめちゃくちゃでかいが、わりと慣れる
配達用のバッグはUberから貸し出されます。ローンチ前に配られたバッグはサイズとして2種類あったようで、僕は大きいほうでした。これがかなり大きく、慣れるまではしょっちゅう壁にぶつかります。背負ったままではエレベーターの中で旋回するのすら難しいほどです。
このバッグは折りたたみもできないので、家に置いておくと、ものすごい存在感があります。バッグを持ってカフェで休憩しようにも、かなりの大きさなので、カフェ空間に持ち込むのは躊躇してしまいます。配達員マニュアルにも「配達用のバッグを店内に持っていくのを避けること」と書いてあるほどです。
この大きさについて沢山のフィードバックがあったことが、ローンチ当日に開催された配達員集合イベントで知らされ、希望者には小さいサイズで折りたたみ可能なバッグに順次交換していくとのことでした。
ただ、イベント会場で近くにいた「ローンチ前のテストで1日で10回配達した」という男性いわく、「大きい方がいいよ! 小さすぎて入りきらないほうが怖い。折りたたみ可能だと、保温保冷性能も低そうで、不安だ」と言っていました。
僕はローンチ前テストでもオンラインにはなったのですが、配達通知が来ることはなく、実際に配達したことが無いなかでの「大きすぎる」という感想だったので、この男性の意見にははっとさせられました。
ちなみに今日だけで昼と夜の2回配達したのですが、2回目の時点で慣れた感じがあり、取り回しの苦労がかなり軽減されました。重さのあるものに振り回される感じや、後ろに出っ張っていることが当たり前になると、「そういう体の一部」になったようで「まあこれでも大丈夫かな」と思いました。
●ハンドル取り付け型スマホホルダー、大容量バッテリーも支給される
バッグと同じくUber側からの貸し出しですが、ハンドルに取り付けられる防水っぽいスマホホルダーと、大容量バッテリーも支給されました。バッテリーはスマホホルダーの底面に入れて充電しながら収めることもできて、よくできています。
待ち受け中は位置情報を逐一チェックして通信し続けるので、バッテリーの支援は必須です。
●最初はとにかく焦る
ぶっつけ本番で迎えた今日、ついに最初の配達通知が来ました。「4分以内に応答」と表示され、焦りつつも素早く応答します。これに応答しないと他の誰かに回されたり、先を越されたり、注文がキャンセルされたりするのでしょう。応答率の良さもインセンティブに影響するそうなので、考える間もなく応答するしかありません。
応答の流れは説明会で1度動画で見たかな……? という程度で、焦りもあって完全にパニくりながらの操作でした。しかも、出発する前に2件目の通知が来ました。事前に「複数注文が重なることがある」と知らされていたので、これも急いで応答します。
画面には配達元の店舗の住所、地図にピン、店名が表示されています。
注文は2件とも同じ店舗からでした。200メートルほど先まで、ペダルを漕いで急いでかけつけました。
●出来上がりを待っている間は手持ち無沙汰
店舗に到着して「UberEATSです」と伝えると、店員の方もタブレットを出し、注文番号を読み上げて、こちらのスマホに表示されている番号と同じかを確認します。出来上がりまでまだ時間がかかる様子で、なるべく邪魔にならない所で10分ほどじっと待ちました。
このときの服装はジーンズにポロシャツだったのですが、まあ、ただの普段着です。これがロゴでも入った帽子やシャツでもあれば「お客じゃない、何かの人かな」という雰囲気にもなるのですが、普段着だと「スマホを持って立ち尽くしてるただの人」なので、なんとなく目立たないようにふるまうのが精一杯でした。
お昼どきで少し混雑していて、小さなお店だったので、お店の外に出ちゃったほうが邪魔にならないかもなあ、と考えつつも、出来上がりまで待つことになりました。
●受け取り操作して「配達開始!」
商品を受け取ったらまたアプリの操作です。「お店に到着しました」を選択すると、注文一覧が表示されます。
受け取った商品を確認したら、チェックボタンを押していきます。確認として店員の方が注文を読み上げてくれたのですが、こちらの画面には表示されていないトッピングの内容などを読み上げてしまい、それは確認できず、お互いに少し焦りました。2注文あったので間違いがあったらいけないので、店員の方が梱包用の箱に注文番号を書いてくれたので、事なきを得ました。
注文された品物は、水分が少なく、偏りもしにくいような、配達しやすい形状のものでした。イベント会場の「10回配達ベテランさん」から「スープとかこぼれるからめっちゃ怖い。坂道とか通りたくないもん。アイスも溶けないかどうかすごく気になった」という苦労話を聞かされて、かなりびびってたのですが、スープ系が無くて安心しました。
チェックを押して次の画面で配達開始(START DELIVERY)ブロックをスライドさせると、配達開始となります。この時点から、お客様側のUberEATSアプリに、配達員の現在位置が表示されます。Uberタクシーを利用したことがある人ならわかると思います。
そんなふうにお客様側に現在地がリアルタイムで表示されているとなると「見られているから、急いで届けなきゃ!」という気持ちになります。自転車をこいでいるときも「この移動も見られているのかなー」と無駄に想像したりしました。
お店を出ようとするときに、UberEATSの配達員の方と入れ違いになりました。ここで、「なるほど、注文が殺到しても、従来の雇用型配達員では対応できなかったりするが、配達員を集中させることで厨房の能力全開で宅配できちゃうんだな」という店側のメリットを実感しました。店舗側の支払いは従量制です。
●アプリに正確な住所が表示されないトラブル
初回から2件いっぺんに配達するミッションだったのですが、なんと1件目が郵便番号と名前しか表示されていません。地図は表示されていて目的地のピンは立っているので、気になりつつもまずはピンに向かうことにしました。
ピンの近くまで来て、もう一度落ち着いてアプリを操作します。ですが、やはり住所欄は空同然の表示です。注文者にメッセージ(SMS)か電話で連絡するボタンがあるので、電話ボタンを押してみますが、電話アプリも立ち上がらず、何も反応しません。メッセージの方を押すと、宛先が空の状態でメッセージアプリが立ち上がってしまいます。
これはサポート案件だと思い、サポート電話番号にかけてみますが、話し中になってしまいました。
●たまたま2件とも配達先が同じだったので運良くトラブル回避
そうこうしているうちに、「X階まで来てください」というSMSが届きました。察するに、注文者側のアプリには僕の現在地が表示されていて、近くまで来ているのはわかっているのになかなか来ないので、ラストワンマイルで迷っているのだと思ったのでしょう。
送り主は1件目か2件目のどちらの方かはわからなかったのですが、とりあえず2件目に表示されている住所がその階数と一致したので、最悪2件目の配達を先にしてしまおう、と思い、ビルに入ります。
ビルに入ろうとしたときに、サポートから折り返しの電話がかかります。住所が表示されていない、電話もメッセージもできない、ということを伝えていると、注文者らしき方が声をかけて下さり、名前は表示されていたので確認したところ、住所表示のない1件目の注文の方で、ほっとしました。
ということは2件目の配達先と同じだったということで、メッセージで到着を伝えると、ほどなくして引き取りに来て下さり、ヒヤヒヤしながら初配達を終えることができました。
●配達員同士のコミュニケーションが楽しい
ビルを出ると、僕以外にもUberEATSのバッグを抱えた配達員の方がいました。さすがローンチ日のお昼どきです。挨拶すると、ビルの場所がわからないらしく、そこのビルですよ、と伝えました。配達員同士のちょっとした情報交換ですが、なんかいいなあ、と、素朴に思いました。
この現場コミュニケーションの前にも、イベント会場で配達員同士でいろいろ話していて、単純に楽しいなあ、と思いました。配達員のFacebookグループコミュニティとか、誰かつくらないかなあ。
●評価機能はこわいけどよくできてる
UberEATSでは注文者とレストランが配達員を評価することができます。この評価は今後の配達優先度やインセンティブに影響するので、かなり重要な指標となります。万が一低い評価がつけられたら……と思うと、自然にしっかりとした対応をしなくては、という思いになります。
配達員は、清潔感のある服装で、挨拶をしっかりし、声もはっきりと出さなければなりません。当たり前のことですが、明確な評価機能がついていると、いわゆる時給アルバイトしてた頃の心構えとはかけ離れた感覚でした。まあ報酬自体が時給ではないですしね。
ただ評価を気にするあまり、「急いで配達してやろう」という気持ちがはやり、安全に徹した走行ができない気がしました。早く届けることは正義ですが、無事故で確実に届けるほうが優先すべきです。でも明確な評価や配達時間の正確な記録というゲーム的感覚が、多少なりともそれを妨げるだろうなあ、と思いました。
●効率よく配達するテクニックを皆が使うと、乗車待ちタクシーと同じことが起きる?
事前説明会で、Uberの中の人が「効率よく配達する方法」のひとつとして、「人気レストランの近くで待機する」と言っていました。これは、配達員の選ばれ方のアルゴリズムのひとつとして、「配達元レストランの近くで待機している」ことが影響するそうです。
となると、人気レストランには配達員が集まってしまい、駅前の乗車待ちタクシー状態になりそうだなあ、と思いました。そこにUberEATSのロゴが入ったバッグが目について、人気レストランだからお客さんも多くて宣伝になって、そのレストランからの宅配も増えるという、なにこのポジティブスパイラル。
●配達員イベントで配られたマニュアルがいい感じ
29日の午前中に開催された配達員イベントで、以下のようなマニュアルが配られました。ふつうにいいことが書いてあって、最初の配達時にだいぶ助けられたので、配達員の方はよく目を通しておくとよいと思います。
●Do's パートナー 配達員として
“高評価につながる5つのアドバイス”
1.レストラン 利用者の双方に対する丁寧な応対
・常に笑顔を忘れずに心からのご挨拶を行うこと
・料理の受取り/受け渡し時は、いつも積極的に相手の目を見て応対すること
2.気配りの行き届いた配達
・料理の温度。状態をなるべく保ちながら配達を行うこと
・料理を受け取る時に、注文番号をしっかりと確認すること
3.三原則「信頼・誠実・感謝」
・レストランや利用者から「次もまたUberEATSを使いたい!」と思ってもらえるように、この三原則を念頭に置くこと
4.明るくハキハキと
・レストランや利用者への配達先では、明るく元気に接すること
・「UberEATSのオーダーを取りにきました」とはっきりと伝えること
・アプリの操作に慣れること
・レストラン 利用者と接するとき、スムーズにアプリを操り、注文内容や行き先が確認できること
●Dont's パートナー配達員として
“低評価を避けるための5つのアドバイス”
1.レストラン/利用者ファースト
・料理の完成までには手間がかかるため、レストランを急かさないこと
・もし料理の配達等で手間取った場合、利用者に誠実にお詫びすること
2.冷静な振る舞い
・もし何か問題があっても、慌てず、利用者に電話をして確認すること
※利用者と連絡が取れない場合は、10分ほど待つこと
3.プロフェッショナルな服装
・清潔感のある服装を心がけ、軽装を避けること
4.周囲に対する心遣い
・配達中は周囲をしっかりと確認して、安全運転を行うこと
・配達用のバッグを店内に持っていくことを避けること
5.細心の注意を払う
・商品がそろっているか、お箸等の付属品に不備がないか確認すること
以下、マニュアル全景です。
●道に詳しくなる
配達系の仕事につくと、道に詳しくなります。UberEATSの配達員も同じです。そして、UberEATSは特定の店舗ではなく、待ち受け中の位置情報に近い店舗からの配達が優先されます。
配達後に元の場所に戻る必要はありません。なので、最初は渋谷で待ち受けていて、渋谷の店舗から配達先が恵比寿で、配達終了後に来た注文が恵比寿の店舗で、配達先が目黒で……と、配達エリアがどんどん移動していくこともありえます。
たとえば土日にUberEATSをまる1日やれば、それだけで渋谷区港区にかなり詳しくなるのでは、と思いました。
●客側でも注文してみたら、配達中にならずに到着してしまった
UberEATSは利用者側としても興味があったので、1500円クーポンコードを利用して注文しました。注文先は僕自身が配達したお店にしました。
注文側では、注文後に到着予定時間が表示されるのですが、到着予定時間近くになっても「ただいまご用意しております」から進まず、なかなか配達員の位置情報を確認できません。
そうこうしているうちになんと配達員さんが到着してしまいました。なぜ配達中にならなかったのか気になったので、同じ配達員としてことわった上で配達員さん側のアプリ画面を確認してみると、配達の開始操作をしていませんでした。練習なしだと、まあ、仕方ないですね。僕も初めてのときはおっかなびっくりで操作しましたしね。
●意外にもクラウドソーシングビジネスと競合する
たまたま知ったのですが、あるクラウドソーシングビジネスを手がける企業の方々の多くが、UberEATSを一斉に利用したそうです。それではたと、クラウドソーシングビジネスとUberEATSは競合であると気づきました。
というのも、仕事を受ける側になってみると、「自由な時間にできる仕事比較」としては、クラウドソーシングのお仕事を選ぶか、UberEATSの配達員を選ぶかは、結構、天秤にかけちゃう気がします。
UberEATSの報酬はスムーズに配達すると時給換算で2000円くらいは行ける感じで、荷物を担いで自転車に乗れるスキルがあればできちゃうので、クラウドソーシングにある誰でもできる系仕事よりよっぽど良い報酬が得られます。
終電後にどうするかという点において、深夜タクシーの競合は漫画喫茶だ、という有名な話がありますが、UberEATSというシェアリングエコノミーと、クラウドソーシングも、ちょっと意外な競合だな、と思いました。
●時給はどれくらいなのか?
時給はどれぐらいになるのでしょうか。結論としては「後々、最低保証なしで時給2000円くらい行ける時間もあるようになるのでは」と思いました。
というのも、しばらくはローンチキャンペーン期間として1500円クーポンでの初見利用者が多く、配達料もかからず、気にせずに少額注文できてしまうので、いまいまは1注文あたり600円の報酬などになってしまいます。1時間にスムーズに宅配できて2件くらいなので、だいぶ厳しいですね。
このキャンペーン期間が落ち着いて、配達料もかかるようになり、リピーター利用が安定すると、1注文の金額が上がり、時給換算も上がるのではないでしょうか。なお報酬は注文額に比例します。
ただ、配達員が増えすぎて注文が回ってこないことも考えられるので、そこは読めないところですね。まあ、それもそれで調整されて、皆が「これくらいなら続けよう」という時給に落ち着くのでは、と思います。
ちなみにローンチから2日間の29、30日には、原付は2600円、自転車は2100円の最低保証時給がつきました。これからも雨の日などの配達員が減ってしまう場合や、クリスマス時期などに、最低保証時給のインセンティブが発生しそうです。
●身元確認はどうやっているか
身元確認は、日本人か外国人かによって提出する書類が違います。僕は運転免許証をアプリからアップロードし、3日ほどで承認されました。
●UberEATSとの関係図
UberEATS、店舗、配達員、注文者との関係を、これまで聞いた説明から図にしてみました。
UberEATSの立場は、店舗と配達員を繋ぐマッチングを業務として行っているとのことで、配達中に起こることは基本的に配達員の責任で、配達員自身が対処しなくてはなりません。配達員が行うのは、配達のほかに、店舗とのやりとり、注文者への連絡、事故対応などです。
例えば料理をだめにしてしまったときは速やかに店舗に連絡すると、おそらく、店舗側は作り直して再配達をUberに依頼します。このときの配達員は別で用意されたりもするのでしょう。
●道路は危険
しかし数件配達してみて「道路って危険だなあ……」とつくづく思いました。
また、UberEATSは雇用ではなく業務委託なので、労災は降りません。配達中の事故やトラブルは自己責任です。従来型の宅配ピザなどは雇用なので、万が一のことがあっても対応してくれます。
こういったリスクプレミアムが時給として反映されている面もあると思いました。ただ、好きな時間に好きなだけやれるという自由度の相殺分もあると思います。
●さいごに
微妙にまとまった時間があるが、何もすることがなくて、体を動かして、お金に変えられたらいいなあ、という人にはUberEATSの配達員はおすすめできると思います。ただキャリア形成という面では何かが積み上がる類のものではないので、人生を捧げるのではなく、あくまでも空き時間を有効活用するというのが、UberEATS配達員としての未来を見据えた付き合い方だと思いました。
配達員登録はhttps://www.uber.com/signup/drive/deliver/から行えます。
●著者:秋田真宏
Web系ソフトウェアエンジニア。ブログはakiyan.com 。Gopher/CakePHP Contributer。IKEA通販比較.com を運営。Google App Engineが好き。新規サービスにいち早く触れるために東京都心に住んでいる。
「アジアから日本への旅客はまだまだ増える」。格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの井上慎一最高経営責任者(CEO)は9月13日に、11月1日からの新路線就航アピールのため訪れた上海で、中国メディア向けに記者会見を開いて自信をみせた。ピーチは11、12路線目の国際線として、上海浦東空港と関西空港、羽田空港の間をそれぞれ結ぶ計画だ。いずれも週5便の往復を予定している。
上海線の運賃は、空港使用料などを除いた片道最安値で関空からが6280円、羽田からが6980円。日本のLCCによる上海線の開設は初めて。上海からの搭乗客向けに、片道運賃が関空行き219元(約3350円)、羽田行き249元という超安値セールも行った。
元高円安の為替マジックで急増した訪日“爆買い”客は一段落しているが、井上氏は訪日客増大の理由として、格安運賃以外に、「(就航済みの)香港や台湾からの旅客がガイドブックにも載っていない目的地を次々と探して(日本への)興味を高めていること」を挙げた。
例えば、関空から近い和歌山県の高野山や、三重県の鈴鹿サーキットでのF1世界選手権グランプリ(GP)など、これまでのガイドブックにない新しい目的地をめざす動きが、アジアからの乗客に起きている。
2011年2月に発足したピーチ。12年3月に国内線の運航を始め、翌13年9月には沖縄県の那覇から台北桃園空港にも乗り入れた。国際線は現在、台湾と香港、韓国で10路線。井上氏は、「なかでも20代から30代の若い女性が国内線を含め搭乗客の56%を占め、上海線でも同じ傾向がみられるだろう」と話した。東アジアの若い女性たちの感性や行動パターンが国境を越えてどんどん近づき、ライフスタイルも共通してきた。そこにターゲットを当てている。
ピーチの「桃」をイメージしたピンクが基調の「エアバスA320」の機材外装デザインや機内のインテリア、客室乗務員の服装なども、女性客を強く意識した結果だ。井上氏は、「こうした客層のセグメント(区分)は他の航空会社にはない」と胸をはる。さらに、「ピーチにはいつもサプライズが必要だ。上海線の機内食に、ナマズを使ったウナギ味のどんぶりや大阪名物のたこ焼き、お好み焼きなど、新メニューをどんどん投入する」と意欲的。とはいえ機内食も有料なため、味には徹底的にこだわるという。
そうした差別化戦略は経営上も効果を上げている。関空と沖縄県の那覇空港を拠点とするピーチは国内14路線も持ち、国際線と合わせて16年3月期の営業利益は前期比約2.2倍の61億8100万円。売上高に対する営業利益率は12.9%で日本のLCCとしては突出した決算内容。旅客数も約455万人にのぼった。原油安による燃料コスト低減も背景にあるが、ピーチには特別な存在感がある。
好業績を受け、ピーチの主要株主のひとつである香港の投資会社、第一東方投資集団の諸立力(ビクター・チュー)会長は香港紙に対し、「機材購入や路線拡充(に伴う資金調達)のため、香港か日本でピーチの株式上場を検討し、17年には北京と広東省広州と日本を結ぶ路線を開設する」と話している。
井上氏はフジサンケイビジネスアイとの単独会見で、「(上場は)株主が決定する内容」としながらも、事業拡大への資金調達手段として上場に意欲をにじませた。北京などへの路線拡大もテーマだが、混雑している中国の空港の離着陸枠をどう獲得するかが課題だという。
上海からは春秋航空など中国のLCCも日本路線を飛ばしている。こうしたライバルについて井上氏は、「対決する構図ではなく潜在需要を双方で掘り起こしていく関係にある」と話した。欧米市場では航空旅客需要の30%前後をLCCが運んでいるのに対し、アジアではまだ10%ほどで伸びしろがある。
関空、那覇に続いて宮城県の仙台空港も来年、3番目の拠点空港とし、「そこから片道4時間以内の都市が今後の新たな路線のターゲット。3拠点から同心円が広がる」と述べた。
日常的な交通手段として「空飛ぶ電車」がコンセプトのピーチ。コスト競争力に加え、安全運航も「日本品質」で売り込んでいる。上海の若い女性にどこまで「日本の魅力」を訴求していけるか。中国本土への11月の初就航が次なる勝負どころだ。(上海 河崎真澄、写真も)
イトーヨーカ堂やユニーといった総合スーパー(GMS)の相次ぐ閉店ラッシュを好機と捉え、“虎視眈々(たんたん)”と閉鎖物件を狙うのが、ディスカウントストア大手のドンキホーテホールディングス(HD)だ。業績不振で撤退した店舗を改装して入居する「居抜き」と呼ばれる手法でローコストの出店を果たしつつ、独自の商品展開で集客力を強化し、売上高や利益を伸ばしている。2016年6月期の業績は売上高7595億円、店舗数341店。中期的な目標とする20年度までの売上高1兆円、店舗数500店の達成に向け、閉鎖店舗をのみ込みながら再生し、成長していく同社の今後の動きに注目が集まっている。
◆“うれしい悲鳴”
「われわれにとってまさに千載一遇のチャンスが訪れている。いろんな会社から直接、居抜き物件の相談は毎日のようにひっきりなしにある」。ドンキホーテHDの大原孝治社長は“うれしい悲鳴”を上げる。
消費者の嗜好(しこう)の多様化や専門店の台頭もあって、食品から衣料品、雑貨などを幅広くそろえるGMSは各社とも苦戦が続いている。
閉鎖店舗の地主や、撤退による市街地の空洞化を嫌う地域住民らにとって、跡地に出店するドンキは引っ張りだこだ。かつては深夜営業が地元住民から敬遠され、出店反対運動が起きたこともあったが、隔世の感ともいえる。
ドンキは16年6月期に過去最高の40店を出店した。8割にあたる32店は閉鎖店舗を改装した居抜き物件だった。ドンキの入居前はGMS、パチンコ店、専門店、家電量販店など多種多様な店舗が並ぶ。15年5、6月に約60店の不採算店を閉店したヤマダ電機の店舗だった場所も含まれている。
JR立川駅北口から徒歩4分の東京都立川市の中心市街地に今年2月にオープンした「MEGAドン・キホーテ立川店」。かつて「ダイエー立川店」だった場所だ。ダイエー立川店は1970年にオープン。近年は業績不振に加え、建物の老朽化もあって2014年2月に閉店した。解体してマンションにする計画も持ち上がったが、ドンキが耐震補強や改装を行い、生まれ変わった典型的な居抜き物件だ。約1万1000平方メートルの売り場には、トイレットペーパーや食品・飲料といった日用品から、高級ブランドの腕時計やバッグまで約10万点の品物をそろえている。
9月中旬のある平日の昼間、店内を見て回ると、多くの買い物客でにぎわっていた。ドンキによると、館全体の売上高は閉店直前のダイエー時代に比べて2倍以上に伸びているという。
買い物をした立川市の主婦(65)は「ダイエーが閉まるといったときは困ったけど、ドンキになってから品ぞろえもいいし、助かっている」と話す。
◆細かな変化対応奏功
同じ立地でここまで売り上げが変わるのには、ドンキ独自の戦略が奏功している。立川店は改装時に1階入り口の中央付近に新たに大きな階段を作った。1階の売り場面積は減ったが、来店客が自然と2階より上の階にも行くようにする工夫だ。滞在時間を延ばし、さまざまな商品を見ることで「ついで買い」を促す戦略だ。もちろん1階や地下1階の売り場では、消費者の需要が高い食品も充実させている。
商品区分も「160以上」(大原社長)と非常に細かく分かれている。売れ筋の変化に対して、大原社長は「自由自在のパズルのような対応」を日常的にやっていると明かす。売り場づくりや商品展開など細かな変化対応が同社の強みとなっている。
GMS大手のイトーヨーカ堂は5年間で40店、ユニーも2年半で36店を閉鎖する予定と、居抜きの追い風を受けるドンキだが、全てに出店するわけではない。GMSなどの閉店が一段落すれば、コストの高い新築物件で出店を続けるかの選択も迫られる。
拡大するインターネット通販への対抗策も課題だ。ドンキは年内にも店舗の全商品を1、2時間で配送する新サービスを国内向けに導入することを示しているが、ネット通販の短時間配送などのサービス競争はアマゾン・ジャパンやヨドバシカメラの間でも激化している。顧客争奪戦に勝ち抜くのは簡単ではない。また食品以外の品ぞろえの多様さが支持されてきたこともあり、「流通業界の中でも比較的商圏が広い」(アナリスト)とされる。店舗数が増えれば、近隣店舗での顧客争奪が起きる懸念も捨てきれない。
ドンキを今後も成長軌道に乗せられるのか。かじ取りする大原社長の手腕も問われることになる。(永田岳彦)