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米国のファミレスが苦戦している、3つの理由

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米国のファミレスが苦戦している、3つの理由

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■【荒木式】がん対策プログラム~元ハーバード大学准教授が考案した画期的な食事法~

 今、日本のファミリーレストラン業界が変化の兆しを見せている。最近も、ファミレスで深夜営業をやめる動きが広がっていると報じられて話題になったばかりだ。

【米国でファストカジュアルが人気】

 かつて深夜のファミレスと言えば、若者が同級生や友人などと会話をする人気のスポットだった。それが今では、インターネットや携帯電話が普及したことにより利用客のライフスタイルが変化し、わざわざ深夜に外で会う必要もなくなった。結果的に、深夜のファミレスはガラガラになり、深夜まで営業を続ける意味がなくなった。

 ファミレスが深夜営業をやめる理由は、客の減少だけではない。従業員を確保することも、困難だからだ。社員を使えば長時間労働の問題に直面し、アルバイトを確保するのにも深夜手当などの人件費がかさむ。客が少ない深夜に営業するビジネスモデルそのものが限界に来ている。

 そんな日本のファミレス事情だが、実は、米国でもレストラン業界は厳しい状況に喘(あえ)いでいる。ファミレスタイプ・レストランの2016年第4四半期の売上高が2.4%も落ち込み、近年まれに見る最悪な年となった。

 米国でも、若者のファミレス離れは深刻になっている。日本とは事情が異なるが、3つの要因が重なって業界を苦しませている。米国のファミレス業界で、いったい何が起きているのだろうか? そこから日本の業界が学べることはあるのか。

●ファミレスから客足が遠ざかっている最大の原因

 まず、ファミレスから客足が遠ざかっている最大の原因として考えられるのが、「ファストカジュアル」の台頭だ。

 以前、本コラムでも取り上げたが、「ファストカジュアル」とはファストフードとファミレスの間のような位置付けで、トレンドに敏感な若い客層に支持をされている。

 ファストカジュアルは、ファストフードのフォーマットで料理を提供するため、レストランのように料理が運ばれるまでほとんど待たされることはない。そして、店内はファストフード店より清潔で高級感があって、ゆっくりと食事ができる居心地のいい空間になっている。

 ファストカジュアルの商品単価は、ファストフードよりも高めだが、レストランと比べるとリーズナブルだ。だが、レストランのように、チップを置く必要がないため、割安感がある。チップ文化が浸透している米国では、レストランでのテーブルサービスに対して払うチップは、意外にばかにならない額になる。

 また、ファストカジュアルは、食材にこだわったメニューをウリにしているため、ヘルシー志向でグルメな若者に絶大な人気を誇っている。

 そこまで高くない値段で、おいしい食事が手軽に食べられるファストカジュアルは、これまでは、ファストフード業界のビジネスを脅かす存在だった。しかし今度は、ファミレス業界にも影響を及ぼし始めている。

 ファストカジュアルの売り上げは、1999年から2014年までの15年間で550%増という驚異的な成長を遂げている。しかも、この傾向はまだ続くとみられており、ファミレス業界にとっては今後さらに恐ろしい存在になっていくことになる。

●ファミレスが苦戦しているもうひとつの理由

 ファミレスが苦戦している2つめの理由は、人々の外食する機会そのものが減っていることだ。というのも、自宅で食事をとるほうが断然安上がりだからだ。

 スーパーでは、激しい価格競争で食料品の値段が下がり、消費者は割高な外食をやめて、食材を購入して自宅で料理する傾向が高まっている。米政府のデータによると、2016年は食料品の価格が過去50年で初めて1.3%も減少している。

 激化する価格競争のせいもあるが、食料品の価格がこれだけ下がれば、消費者の選択にもかなり影響するだろう。また、惣菜や調理済みの料理を充実させるスーパーが増えていることも、外食よりも自宅で食事を済ませる傾向を後押ししている。

 その他にも、ネットスーパーやミールキットデリバリーなど、便利な配送サービスを利用すれば、食材をそろえたり自宅で料理をすることがそれほど面倒ではなくなってきている。

 特に、急成長中のミールキットデリバリーは、レストランで提供されるような手の込んだメニューが自宅でつくれるとあって、利用者が増えている。そのため、有名シェフやブランドが続々とビジネスに参入しており、ますます盛り上がりをみせている。

 3つめの理由は、ショッピングモールの衰退が関係している。というのも、ファミレスはショッピングモールに併設または隣接されているケースが多い。これまでなら、お腹を空かせた買い物帰りの客がファミレスに流れることでビジネスが潤っていた。

 ところが、ショッピングモールを訪れる客が激減しているため、ファミレス業界もその余波で痛手を負っている。また外食をするためだけに出かけるなら、ファミレスではなく別の店を選ぶ傾向がある。

 このように、ファミレスを取り巻く環境は非常に厳しくなっている。消費者のライフスタイルが変わり、さらに選択肢が増えているため、これといって特別感のないファミレスにわざわざ行くことが減ってしまうのも当然だ。

 ただこうした状況に、さすがのファミレスも打開策を練っている。店舗に足を運んでもらえるように、サービスの向上や店舗の改装など基本的なことから始まり、やれることはすべて行っている。競合との違いをだすために、食材をアップグレードしたり、メニューを改善したり、テイクアウトやデリバリー用のメニューを開発したりしている。

●新しいテクノロジーを導入して売上増

 さらに、新しいテクノロジーを導入して売り上げを伸ばそうとしているファミレスもある。

 例えば、全米で約2000店舗を展開する大手チェーンレストランの「Applebee's(アップルビーズ)」は、業界でもいち早くタブレット端末を導入した。各テーブルに設置されたタブレット端末を使って、追加オーダーや支払いが直接できるようになり、客の評判も上々だという。

 またApplebee'sは、一押しのメニューでも薪(まき)を使ったグリルを全店舗に導入するなど、絶対に店でしか味わえない料理を提供する試みを始めている。グリルに使用されるステーキ肉などは、各店舗内でわざわざハンドカットする「こだわり」を売りにし、従業員に特別なトレーニングをしてクオリティーで違いを出そうとしている。

 現在、Applebee'sは、4000万ドル(約44億円)をかけ店舗の大改装を行い、コンテンポラリーでシックなイメージに店舗を一新している。また同社にとって過去最高となる1億2000万ドル(約133億円)の巨額をつぎ込んで、マーケティング・キャンペーンを行い、ブランドの再構築にも取り組んでいる。ただ巨額投資に見合うだけの効果がまだ出ておらず、トップが退任に追い込まれている。

 もっとも、レストラン側はどれだけ必死に改革に取り組んでも、残念なことにファミレスそのものが消費者に飽きられているという事実がある。そのイメージを変えるのは、そう簡単なことではない。

 それでも、レストラン不況から抜け出すことに成功したファミレスもある。シーフードが有名なチェーンレストランのレッドロブスターだ。

 レッドロブスターはまず、客がどのようなシチュエーションでシーフードを食べに来店するのかを分析した。その結果、多くの客がお祝い事などの特別なイベントで訪れることが分かった。

 そこで、客のニーズに応えるべく、普段スーパーなどでは手に入らない高品質の食材をメニューに加え、「特別感」を演出。さらに、食材の調理方法を改善することで、品質と味の向上に成功している。

 レッドロブスターは、他社同様にメニューを改善したに過ぎない。だが、シーフードという本来のスペシャリティを見直し、特化することで客のツボをがっつりつかむことができたようだ。

●価格に見合ったモノを手際よく提供する

 レッドロブスターの例は、やはり壁に直面している日本のファミレス業界にもヒントになるかもしれない。

 日本より一足先に衰退に直面している米国のファミレス業界だが、若者をいかに取り組むかが復活のカギになっている。この層は外食にかける金額が食費全体の44%を占め、世代別で見ると利用頻度が一番多いからだ。

 選択肢がどんどん広がる現在では、価格に見合ったものをいかに手際よく提供できるかは重要だ。若者がファストカジュアルを利用したり、テイクアウトやデリバリーを好む傾向があるのも理解できる。

 一方で、レストラン業界は、そこでしか味わえない経験を提供することが必要になっている。この先、深夜営業をやめる日本のファミレス業界が、生き残りをかけて、どんなアイデアを見せてくれるのか興味深い。米国の現状は、参考になるかもしれない。

(藤井薫)



引用:米国のファミレスが苦戦している、3つの理由


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